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『決算書理解講座46 利益の行方』

決算書理解講座45では「金利の重さ」について説明しました。今回は、「利益の行方」について説明していきたいと思います。

配当

配当は、旧商法の下では「利益の配当」と表現され、定時株主総会における利益処分として行うものとされてきました。

会社法においては、「利益の配当」ではなく、「剰余金の配当」といいます。

当期の利益だけでなく、過去の留保利益も含めた「剰余金」を原資として行うものと考え方が整理されたためです。

このように説明すると、今回のテーマとしている「利益の行方」と配当などは何となくミスマッチのような気もしないではないですが、結局の所は利益から捻出されるものであり、「利益の行方」として説明していきます。

中小企業で配当を行っている所は少ないですが、配当などの社外流出に関する物差しを少し見ておきましょう。

<配当率>
配当率は、配当金÷資本金×100 という式で計算されます。
100円の資本金の会社が年10円の配当をすれば、配当率は年1割、ということになります。
<配当性向>
配当性向は、当期利益÷配当金×100 という式で計算されます。
税引後の当期利益から配当金としてどのくらい分配したのか、を見る指標です。
当期利益2,400万円の会社が800万円の配当を行った場合、
配当性向は800÷2,400×100=33.3%となります。

 

<社外流出率>
旧商法では、役員賞与は配当などと共に利益処分案にかかる承認決議を経て支給されるものでしたが、会社法では役員報酬と同様、「職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(報酬の一部)」へと変わりました。

ただ、役員報酬や役員賞与は株主総会の決議が必要であり、役員賞与は決議後支給されるものだと考えると配当と同様に「社外流出」として見ることがあります。

社外流出率は、(配当金+役員賞与)÷当期利益×100 と計算し、稼いだ利益の何割が社外流出となっているのかを見ます。

まとめ

これらの物差しを前期実績と比較などすると、経営陣の考え方が見えてきます。
ご理解頂けましたでしょうか?

次回からは、バランスシートの分析へ移り「資産内容の分析」について説明したいと思います。お楽しみに!

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