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3.決算書・経理

『決算書理解講座23 資金繰り①』

今回のテーマは
『決算書理解講座23 資金繰り①』について

決算書理解講座22では『損益計算書を読んでみる⑥』で
「損益計算書を見る際のポイント」について説明しました。

今回からはいよいよ資金繰りに移り、『資金繰り①』として、
「利益と資金の関係」について説明して行きたいと思います。

資金繰り、というと何となく決算書とは全く別のテーマ、
といった感じを抱く方も少なからずおられるのではないでしょうか?

また、資金繰りのことは会社内部の人でなければわからない、
会社の売掛台帳とか買掛台帳を見なければ資金繰りの状況など
わかる訳がない、と誤解されている方も案外おられます。

しかし、実際には決算書からでも会社の資金繰りの状況を
判断することができるのです。

これから説明を始める資金繰りについては、特に興味を持って
頂きたい分野なので出来るだけわかりやすく説明していきたい
と考えております。

◆利益が出ても資金が増えるとは限らない◆

会社の損益と資金繰りの関係を、簡単な設例を用いて説明して
みたいと思います。

①資本金が100万円の会社を設立
②50万円の商品を現金で仕入れて、80万円で掛販売
③販売のために要した経費は20万円(現金)

この場合のバランスシートと損益計算書ですが、

バランスシート (万円)
******************
現預金   30 * 資本金  100
売掛金   80 * 利 益   10
******************
110  *       110

損益計算書   (万円)
******************
売上高             80
売上原価          ▲50
経費             ▲20
*****
利益              10

となります。

次に、資金を中心とした資金損益計算書(資金繰り)を
作成してみたいと思います。

資金損益計算書  (万円)
******************
売上収入             0
仕入支出           ▲50
経費支出           ▲20
*****
資金減少高          ▲70

となります。

損益計算書と資金損益計算書を見比べて頂くと、利益は
10万円出ていますが、資金は▲70万円となっていることが
わかると思います。

なぜ、そうなるのか・・・

皆さんもお解りかと思いますが、50万円を現金で仕入れた
商品に30万円の粗利を載せて販売したけれども掛売りのため
当期の現金回収はゼロとなることから資金損益計算書は
マイナスとなってしまうのです。

ところで、この▲70万円はバランスシートのある数字と
ピッタリ合うようになっている点を是非、押さえて頂ければと
思います。

現預金の動きですが、資本金100万円で会社ができた時の
現預金は100万円、これは期初の現預金残高です。

そして、期末にはバランスシートの現預金が30万円に
なっているということは、

期末の現預金30-期初の現預金100 = ▲70となっています。

ポイントは、現預金の増減と資金損益計画書(資金繰り)
の数字は合うようになっていることを理解しておきたい所と
なります。

資金と決算書の繋がりをまとめてみると、
①利益は会社の資金を増やす要因
②しかし、必ずしも利益=資金増ではないということ
③売掛金の発生は、会社の資金を減らす要因
となります。

③の部分がまだ理解しにくい方もおられると思いますので、
次回は、「売掛金、買掛金と資金繰り」の説明を行いたいと思います。
お楽しみに!

bt_soudan    bt_shikin

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