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日本経済を支える中小企業では、近年、経営者の高齢化が進む一方、後継者の確保が難しくなっています。

対策をせずに放置していると、いざ事業承継という時に、相続を巡ってもめ事が起こったり、後継者が経営ノウハウを知らない、取引先・従業員の信頼を得られない、といった問題が生じ、最悪の場合、廃業に至ってしまうこともあります。

そのような事にならないためにも、事前に、後継者の候補者を見つけ、その候補者を育成し、徐々に経営権を移していくといった計画的な取組みが大切となります。

中小企業の特徴

「資本と経営の分離」が資本主義経営の特色の1つですが、大部分の中小企業は資本と経営の分離を行なえていません。

そのため、「経営権(社長の地位)」と「所有権(株式)」の双方を承継する必要があります。

同族会社の場合、オーナーの持ち株割合が高く、相続の開始があった際、後継者は相続税の納付に苦しみ会社の円滑な経営もままならなくなるようなケースも発生してしまいます。

中小企業の株式評価

中小企業の株式は、通常「市場での取引」の対象とはならず、取引相場はありません。

そこで、経営者一族が株式を相続するときに適用される「取引相場のない株式」の評価は次のいずれかが適用されます。

①:類似業種比準方式
②:純資産価額方式
③:①と②との併用方式

各方式の詳細については、改めて説明したいと思いますが、ここでは各方式の問題点を示しておこうと思います。
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<類似業種比準方式>
この方式は、評価会社と業種が類似する複数の上場会社の平均株価と比準して評価額とする方法。

このため、比較する株式の市場価格が高い場合、例えば業績のあまりよくない無配会社であっても株価だけは高いといった現象が起こることもある。
<純資産価額方式>
この方式は、会社の資産の相続税評価額を基準にして評価額を求める方法。

土地や借地権の相続税評価額の上昇影響をまともに受けるため、想像以上に高株価となっていることもある。

例えば、業種柄土地保有の多い企業(倉庫業・運送業・不動産賃貸業など)や地価の高い市街地で広い土地を必要とする業種(食料品店・衣料品店・スーパーマーケットなど)、歴史が古く簿価の低い企業などは高株価となってしまうことが多い。

経営者個人への信用依存

堅実な中小企業の場合、創業者の社会的信用が大きなものになっていることが多く、この信用を事業の承継者が一朝一夕に備えることは難しい。

よって、後継者の教育が重要となります。
ご理解頂けましたでしょうか?

次回は『後継者の育成』について説明したいと思います。
お楽しみに!
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