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決算書理解講座57では「通貨スワップの活用」について説明しました。
今回は、「マルチカレンシー・ローンの活用」について説明したいと思います。

輸出代金等外貨建債権の為替リスクヘッジに中長期インパクト・ローンを活用することがあります。

この場合、銀行としては貸付原資をユーロ市場から短期資金で調達していることが多く、短期調達による長期運用となってしまうことから、通常、変動金利での貸付とならざるを得ません。

そこで、銀行はこの仕組みを活用し、資金調達し直す時に、前と異なる通貨で調達し、借主は新たな通貨での借受けとなり金利も変わるというメカニズムをつくりました。

これをマルチカレンシー・ローン(通貨選択権付貸付契約)と呼び、通貨変更を許容する条項をマルチカレンシー・クローズと呼んでいます。

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為替相場が大きく変動しそうな時、マルチカレンシー・クローズの権利を行使し、借入通貨を換えて為替リスクヘッジを行い、為替相場の安定した通貨に切り替える。

金利や為替コストを低くする有利な通貨に切り換えることを繰り返し、結果として調達コストを低くすることを狙う。

新たな通貨を選ぶ際、原通貨(当初の通貨)と選択通貨とその時のクロスレートに基づくものが新たな元本金額となります。

原通貨を市場にて返済し、同時に新たな通貨を市場から調達することとなります。

この時、通貨の変更又は継続時に当初借入元本の調達及びその調整部分に係る為替相場の変動による差損益の調整が生じます。

これらの会計処理及び税務処理については、専門家である税理士の先生と相談して頂くことをお薦めします。
※弊社は専門家の資格を有していないため、ご了承ください。

中小企業ではあまり使うことのないローンとなりますが、このようなものがあるという点だけでもご理解頂けると幸甚です。

次回は、「リースの形態と仕組み」について説明したいと思います。
お楽しみに!

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