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『決算書理解講座49 在庫の回転』

決算書理解講座48では「売掛金の滞留日数」について説明しました。
今回は、「在庫の回転」について説明したいと思います。

在庫のチェックポイント

売掛金と並び流動資産の中で大きな比重を占めるのが「たな卸資産」です。
たな卸し資産の在高、つまり在庫は黙っているとじりじり増えてきます。

営業マンは得意先にいつでもスピーディーに受注した商品を納品したいだろうし、工場関係の人々は、発注があれば直ちに製造に着手できるよう、手元にはなるべく多くの原材料を備えておきたいと考えます。

しかし、たいへんなのは経理です。
在庫の増加=資金の増加、となるからです。
資金を金融機関から調達すれば金利負担も増えてしまいます。

在庫は、経理のチェックがなければ=黙っていれば、じりじりと増えていく方向にあります。

そこで、売掛金の滞留日数を計算したように、在庫についても手持日数、或いは在庫日数を計算してみる必要があります。

例えば、商品とか製品の在庫日数は、
商品・製品の期末在庫金額÷(年間の売上原価÷365)
とはじきます。

考え方は売掛金の滞留日数と同じで、まず、損益計算書から売上原価の金額を確認し、365で割ります。
すなわち、1日当りの出荷高を計算します。

分子は在庫額です。
在庫額を1日当りの出荷高で割って、何日分の在庫があるのか、ということを調べようというのが在庫日数です。

前期と比べ、在庫日数が増えているようであればそれだけ「資金負担は重たくなっている」と言えます。

これらの在庫が全て良品であり、近いうちに必ず出荷されるものであれば良いですが、万が一、返品続きや既に時代遅れの商品が含まれているとしたら要注意です。

在庫日数の平均値は業種によって異なってきますが、売掛金の滞留日数も含めた資産の滞留が前期と比べどのようになっているのか、といった点はチェックしておきたいところです。

ご理解頂けましたでしょうか?

「資産内容の分析」は今回で終了し、次回からは、「資金調達の種類と特性」の説明に入りたいと思います。
お楽しみに!

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