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3.決算書・経理

『融資の知識を身につけよう
~設備投資の借入返済~』

設備資金の調達は長期借入金によるのが一般的ですが、借入の返済源資(財源)には、その企業の留保利益、減価償却費、各種引当金、増資代り金、社債発行手取り金、不要資産売却代金、などがあります。

このうち、留保利益、減価償却費、各種引当金が企業の経常的な営業活動の中で生み出されるという点で基本的なものとなり、この3つを合算して「償却前引当前利益」と言います。

留保利益

企業の営業活動の結果として最終的に企業内部に残る利益で、具体的には税引後の純利益(当期利益)から配当金、役員賞与の社外流出を差し引いたものとなります。

本来、借入返済は最終的な資金の余剰分によって行われるべきですが、留保利益はまさしくこの要件を満たす返済源資と言えます。

この留保利益が計画通りに達成されないと、企業の経常的な活動を通じて借入金を順調に返済していくことはできません。

よって、設備投資計画において最も重要なことは、この返済源資が無理なく生み出せるかどうかということになります。

減価償却費

本来費用(コスト)として収益の控除要因となる減価償却費が返済源資となることに疑問を持たれる方がおられるかもしれません。

減価償却とは、建物や機械などのように価格が高く、且つ長期間業績に寄与する固定資産の当該期間内における価値の減価分相当と見る額を、その期の費用(コスト)として控除する制度であり、減価償却費はこの方法により実際に収益から控除される額を言います。

建物や機械などの設備の購入代金は通常購入時に全額支払われますが、この支払分全額を原価(コスト)として一括計上すると、その年度に費用の全額を負担させることになり、次年度以降はその設備から業績上の寄与を受けているにもかかわらず、原価(コスト)として計上されないという不合理が生じます。

これを毎期の原価(コスト)として合理的に処理していく方法として考えられたのが減価償却という制度。

損益計算書上は費用(コスト)として減価償却費が毎期控除され利益が算出されるが、資金としての動きは無く、社外に出ていくものではありません。

つまり、具体的な支出を伴わない費用ということとなり、資金的には留保利益の他に別途減価償却費相当分だけ資金余剰が生じることになります。

各種引当金

引当金の代表的なものに、貸倒引当金や退職給与引当金があります。

貸倒引当金とは、期末の売上債権の中で将来発生が予想される貸倒損失をあらかじめ見越して計上する引当金。

また、退職給与引当金は、従業員が退職した時点で支払わなければならない退職金につき、実際の退職時点で費用として計上する代わりに、あらかじめそれを見越して計上する引当金を言います。

このように引当金とは、当該期間中には実際に発生していないものの、次期以降において当期の収益に対応する費用という形で発生が予想されるものをあらかじめ見越して計上した勘定のことで、損益計算書上では費用として控除されるものの、資金の支払いがすぐに発生するものではないため、資金的には余剰を生む効果をもたらします。

但し、通常は毎期の引当金増減の算定が技術的に困難であり、借入金の返済源資としては省いて検討する場合が多い。

まとめ

立替払いを埋める運転資金の借入と違い、設備投資の借入は原則、利益からしか行えない点がポイントとなります。

また、利益に加算される返済源資として実際に資金が出て行かない減価償却費などがある、という点をご理解下さい。

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