決算書理解講座77では「財務分析手法~付加価値労働生産性~」について説明しました。
今回は、「財務分析手法~付加価値労働生産性(製造業分解指標)~」について説明したいと思います。

製造業等では、付加価値労働生産性を左右するものとして「投下資本量」と「その投資効率」があります。

大きく分解すると以下のような見方ができます。

労働生産性=労働装備率×設備投資効率

設備投資効率はさらに、
設備投資効率=付加価値率×有形固定資産回転率

この両算式から次のような式をつくることができます。
労働生産性=労働装備率×付加価値率×有形固定資産回転率

それでは、これらの内容についてみていきたいと思います。

 

労働装備率

労働装備率とは、実際の生産活動、営業活動に利用されている有形固定資産額が従業員1人当りに換算するとどの位になっているのかを表します。

労働装備率=(有形固定資産-建設仮勘定)÷従業員数

一般的に労働装備率が大きいことは、償却不足が無いとすればそれだけ生産の機械化(製造業の場合)や営業拠点・手段が充実(卸売業)していることを示します。

しかし、操業度との関係で労働生産性が高いのかどうかも変わってくるため、設備投資効率と比較検討することも必要となります。

付加価値率

付加価値率とは、売上高に占める付加価値の割合を示すもので、自社で付加した価値の割合、いわゆる企業の加工度の大小を検討する指標となります。

付加価値率=付加価値額÷売上高×100

一般的に付加価値率が高ければ、それだけ有利な事業を行っているといえることから採算性も高いといえます。

設備投資効率(設備生産性)

設備投資効率とは、資本生産性を示す指標の1つで、本来的には生産設備がいかに有効に利用されているかを示します。

一般的に製造業の場合は有形固定試案を、卸売業の場合は固定試案を生産設備とみます。

設備投資効率(付加価値額÷有形固定資産)
=付加価値率(付加価値額÷売上高)×設備回転率(売上高÷有形固定資産)

設備投資効率の水準は高ければ高い方が良いといえますが、数値水準だけでなく上記計算式のように分解し、質的(内容)検討を行うことも必要となります。

例えば、設備資産の取得後、年数も長く減価償却が進んでいる場合、水準は高くなります。

しかし、この状態では設備の老朽化が進んでいるともいえ、将来的なことを考えた場合、この状態が良いとはいえないようなケースがあるためです。

高水準の場合でも採算性、設備の回転率などによる質的検討も重要となります。

ご理解頂けましたでしょうか?

次回は、付加価値をどのように分配するのが望ましいか・・・
「財務分析手法~分配率の検討~」について説明したいと思います。
お楽しみに!

友だち追加