決算書理解講座76では「財務分析手法~生産性とは~」について説明しました。
今回は、「財務分析手法~付加価値労働生産性~」について説明したいと思います。

付加価値労働生産性とは、従業員1人当りが稼ぎ出した付加価値額を意味しており、その数値から労働生産性の大きさ、労働能率の良否を測定することができます。

付加価値労働生産性=付加価値額÷従業員数
※従業員数は年間の平均従業員数が望ましい

この数値は高いほど良く、この数値が低いと労働力の活用が十分ではないといえます。

数値が低水準、低下傾向という場合には向上させる対策をとらなければなりません。

生産性の大小は、相互に関連する生産性要素の複合的な働きによるものなので、低水準、低傾向と判断すれば労働生産性の低下要因を究明し、対策を立てなくてはなりません。

分解手法

<販売主体の企業の場合>
付加価値額÷従業員数
=(売上高÷従業員数)×(付加価値額÷売上高)
と分解することができます。

売上高÷従業員数=従業員1人当り売上高を示すことから、向上策として、
販売価格の引上げ、新商品開発、販売方法改善、間接人員削減、営業設備高度化、利用効率向上、従業員教育などの検討が挙げられます。

付加価値額÷売上高=付加価値率を示し、向上策としては、
販売価格引上げ、仕入価格引下げ、高付加価値商品の開発、商品構成の変更、販売経費の節減などを検討すると良いと考えます。

<製造業等の場合>
付加価値額÷従業員数(労働生産性)
=(有形固定資産÷従業員数)×(付加価値額÷有形固定資産)
と分解することができます。

・有形固定資産÷従業員数=労働装備率
・付加価値額÷有形固定資産=設備投資効率
を示し、

設備投資効率は更に、
(付加価値額÷有形固定資産)
=(付加価値額÷売上高)×(売上高÷有形固定資産)
に分解できる。

・付加価値額÷売上高=付加価値率
・売上高÷有形固定資産=有形固定資産回転率

この両計算式より
労働生産性=労働整備率×付加価値率×有形固定資産回転率
という計算式に分解することができます。

ご理解頂けましたでしょうか?

次回は今回の続きとして、「財務分析手法~付加価値労働生産性(製造業分解指標)~」について説明したいと思います。
お楽しみに!

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