決算書理解講座69では「財務諸表を概観~貸借対照表編~」について説明しました。
今回は「財務分析手法~収益性~」について説明したいと思います。

収益性分析を行う目的は、収益獲得状況や収益体質を把握することなどが挙げられます。

また、収益性の分析には「比率による分析」と「実数による分析」とに分けられるのですが、今回は「比率による分析」の手順や概要についてみてみたいと思います。

<ステップ1>

総資本経常利益率の水準、推移をみる

総資本経常利益率は、総資本に対する経常利益の割合を示します。
これは、企業活動に投下された資本総額に対してどれだけの割合の利益を獲得
しているか、つまり投下した資本の利回りから収益性をみます。
総資本経常利益率=経常利益÷総資本(負債+自己資本=総資産)×100

<ステップ2>

総資本経常利益率を売上高総利益率と総資本回転率に分解し、良化・悪化の原因をみる

売上高経常利益率は売上高に対する経常的な利益の割合で、「利幅」を示します。
売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100

総資本回転率は投下資本の売上高に対する回転度合、資本の「運用効率」を示します。
総資本回転率=売上高÷総資本

つまり、総資本経常利益率=売上高経常利益率×総資本回転率から計算されており、
「利幅」と「運用効率」の2つに分解することができます。

分解することで、収益性の高低やその変化の原因を把握することができます。

 

~売上高経常利益率の影響が大きい場合~

<ステップ3>

損益計算書区分表示を各段階ごとにみる
・売上高総利益率:売上総利益÷売上高×100
・売上高営業利益率:営業利益÷売上高×100
・金融費用負担率:金融費用(支払利息;割引料)÷売上高×100
など

~総資本回転率の影響が大きい場合~

<ステップ3>

各資産の回転率をみて、変化の原因を把握します
・固定資産回転率:売上高÷固定資産
・売上債権回転率:売上高÷売上債権(売掛金+受取手形)
・棚卸資産回転率:売上高÷棚卸資産(商品+製品+仕掛品+半製品+原材料)
※売上原価÷棚卸資産でみるケースもあります
など

総資本経常利益率を中心にこれらを分解していくことで収益性をみることができます。

ご理解頂けましたでしょうか?

次回は「財務分析手法~損益分岐点分析~」について説明したいと思います。
お楽しみに!

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