決算書理解講座68では「財務諸表を概観~損益計算書編~」について説明しました。
今回は、「財務諸表を概観~貸借対照表編~」について説明したいと思います。

皆さんは貸借対照表をみる時、どこから見ますか?

私は、まず最初に「資産合計」を見て、総資産(=負債+純資産)の大きさ、すなわち、経営規模の大きさを見ます。

次に、「純資産合計」を見て、自己資本の大きさ、内部留保の蓄積を確認。

ここで大まかに自己資本比率<純資産÷(負債+純資産)>を算出し、経営の安定度を見ることができます。

そして次に「負債の部」を見て、総資産に対する借入金のウェイトや借入金と支払手形・買掛金といった仕入債務との割合、借入金の長短比率など負債がどのような構成になっているのかを確認します。

ここまでで大体の企業規模、自己資本の充実度、そして資金調達の状況を概観できるのですが、更に、資産の部に目を通し、残高の大きな勘定科目をチェックし、資産構成を大まかにつかめれば、貸借対照表を通じての企業イメージがかなり出来上がってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、私は、損益計算書の当期利益+減価償却費(キャッシュフロー)が貸借対照表のどこに反映しているのか?(何にキャッシュフローが使われたのか?)も重要視して見ます。

その際は、前期末(又は期初)決算の貸借対照表の数字と照らし合わせてみる必要があるのですが、現預金として残っているのか?または、増加運転資金に使われているのか?借入金の返済に使われているのか?といった内容を分析することができます。

続いて、貸借対照表の資産項目の中で、金融機関などはどういう所を見ているのかについても説明してみたいと思います。

<要注意項目>

現金、仮払金、短期・長期貸付金、有形固定資産などが挙げられます。

現金や有形固定資産では、利益が出ていないにも関わらず、利益が出た形にするための粉飾に使われるケースがあるからです。

有形固定資産では、利益を出すために減価償却を行わなかったりすることがあります。

但し、償却不足額については、申告書の別表十六を見ればわかるので自社の決算書に償却不足が無いか、一度チェックしてみるのも良いかと思います。

また、仮払金や短期・長期貸付金は社長宛に資金が流出しているケースなどで、金額が増えている時は特にチェックされます。

金融機関から見た場合、会社へ融資した資金が社長個人へ流れている、と判断すると、資金使途違反で追加融資には応じない、といったケースもあるので要注意です。

ご理解頂けましたでしょうか?

次回は「財務分析手法~収益性~」について説明したいと思います。
お楽しみに!

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