決算書理解講座67では「財務諸表の意味と仕組み」について説明しました。
今回は、「財務諸表を概観~損益計算書編~」について説明したいと思います。

皆さんなら、まず、損益計算書のどこをみますか?

損益計算書をみる時、まずは売上高・経常利益・当期利益の3つの数字を読み、大体の企業規模、収益規模を掴みます。

次に、最終利益である当期利益がどのような要因によるものなのかをみます。

①粗利益(売上総利益)が大きいのか
②効率的経営により、管理費や販売費を抑えて営業利益が大きいのか
③財務収支(金融収支)が経常利益に与える影響はどうか
④固定資産の売却等の一時的要因により当期利益段階で黒字化しているようなことはないか

このように、その企業の利益の出し方、収益構造をおおまかに把握します。
そして次に、損益計算書の各科目をみていきます。

<売上高>

単一商品をのみを扱っている企業はまれであり、売上高の商品別・部門別構成を把握しておくと良い。
また、月次及び前期比の売上高を確認し、増減要因の異常値をチェック。

<売上原価、売上総利益>

売上総利益(粗利)は「売上高-売上原価」により算出されます。
また、売上原価は「期首(前期末)棚卸資産+当期商品仕入高(当期製品製造原価)-期末棚卸資産」により求められるということをまずは理解しておきたい。

一方、製造業の製造原価はその企業の原価構造が「材料費・外注加工費・労務費・製造経費」などの要素別に分類、集計されているので、それらの構成比などにより高採算や低採算などの要因、今後の製造原価予測、合理化の余地など、競争力の根幹となる部分を知ることができます。

<販売費・一般管理費、営業利益>

営業利益は「売上総利益-販売費・一般管理費」により算出され、本来の業務による収益を表します。

販売費・一般管理費は、一般に「経費」と呼ばれているもので、販売費は、商品販売にかかる費用、販売部門の人件費・販売手数料・広告宣伝費・貸倒引当金繰入額等があり、売上高に相関する変動費的色彩が強い。

一方、一般管理費は企業全体の経営活動の管理に要した費用で、管理部門の人件費・減価償却費・租税公課等があり、固定費的色彩が強い。

この費用の色分けは、設備投資時の損益分岐点売上高を分析する際などに重要となります。

<営業外損益、経常利益>

経常利益は企業の収益を把握する上で、最も基本的な指標とされています。
経常利益は「営業利益+営業外収益-営業外費用」から算出されるように本来業務からの収益である営業利益に金融・投資等の財務活動の収益と費用を加減算して経常的な期間損益を表すもとなっています。

営業外損益には一般的な金融収益・費用のほかに「雑収入、雑益、雑支出、雑損」なども計上されていることが多く、その内容についてはチェックし、一過性のもの(特別損益に準ずるもの)がないかなども確認すると良い。

<特別損益、当期利益>

当期利益は「税引前当期利益=経常利益+特別利益-特別損失」「税引前当期利益-法人税等=当期純利益」として算出されます。

特別損益には、固定資産売却損益や投資有価証券売却損益、貸倒損失などがあり、経常的に発生するものではなく、臨時的損益となっています。
決算対策的色彩を持った損益にもなっています。

ご理解頂けましたでしょうか?

次回は「財務諸表を概観~貸借対照表編~」について説明したいと思います。
お楽しみに!