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外国為替市場における先物相場はどのような要因で決定されるのでしょう? その最大の要因は2国間の金利差にあります。

例えば次のような前提条件となっている場合、6ヶ月先の円先物相場はどの水準になるのか探ってみたいと思います。

 

金利裁定と先物為替相場

<前提>
米ドル/円の直物相場:1ドル=120円
米ドル金利(6ヶ月物):5%
円金利(6ヶ月物):4%

この前提で6ヶ月先の相場が直物と同じ1ドル120円であったとすれば、投資家は120円をドルに投資して6ヶ月後に同じ120円で1ドルを円に交換できることになります。

投資家は円を4%で6ヶ月借りてそれを1%金利の高い米ドルで運用し、6ヶ月後に米ドルを売って円を買い、円の借入を返済することにより1%の利鞘を稼ぐといった行動にでるでしょう。

すなわち、1%の金利差を求めて多くの投資家が円を対価として米ドル直物を買い、同時に採算を確定させるために6ヶ月で米ドルを売却・円を買い戻す先物予約を締結する組合せ取引(スワップ取引)を増やすことが予想されます。

このような直物でドルを買い、先物でドルを売るスワップ取引が増えると、直物はドル高、先物はドル安に変化し、直物相場と同一レートで6ヶ月先物のドルを売却するレートの組合せは困難となります。

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一方、このようなスワップ取引の増加によっては需給関係は崩れないので、直物ドル相場水準は不変。従って、6ヶ月先物のドル売却相場は1ドル120円よりドル安・円高の方向に変化せざる得ません。

この米ドルの6ヶ月先物における円対価の価値減少は、米ドル金利と円金利の差である年率換算1%だけ生じ、その時点で価値減少は停止します。

この先物相場を分解すると、直物相場と直先スプレッドの部分に分けることができます。

先物相場=直物相場±直先スプレッド

前提条件の例に当てはめてみると、

<金利差から直先スプレッドを算出>
直物相場×金利差(%)×(先物の月数/12ヶ月)=「直先スプレッド」
120円×1%×(6/12)=60銭
先物相場:120円-60銭=119円40銭

<直先スプレッドから金利差を算出>
(直先スプレッド/直物相場)×12ヶ月/先物の月数)×100=「年率(%)」
{(60銭/120円)×12/6}×100=1.00%

6ヶ月先で米ドルを119円40銭で売却することにある為替損(60銭)は、6ヶ月間米ドルを運用することによって得られる金利差(1%)と等しくなります。

尚、実際には利息部分も含めて計算する必要があるのでご留意ください。

ご理解頂けましたでしょうか?
次回は「プレミアムとディスカウト」について説明したいと思います。
お楽しみに!

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