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5.経営・開業

『新たな資金調達手段の情報』

日銀のマイナス金利政策導入や金融庁による事業性評価を重視した金融改革などの影響もあり、新たな資金調達手段が広がりを見せています。
そこで今回は、「成長」をキーワードに資金調達の動きを見てみたいと思います。

古民家の観光利用後押し

日本政策投資銀行(DBJ)は、出資先の投資ファンドを通じ、宿泊予約サイトを運営する一休と提携。
古民家など歴史的な価値がある建造物を、宿泊・飲食施設といった観光資源として再生する事業にファンド経由で資金を供給する。
一休のサイトを活用して観光客らを呼び込み、地域の活性化を後押しする。

近年は古民家を宿泊・飲食施設に衣替えし、観光資源として有効活用する試みが全国で増えつつあり、外国人観光客をはじめ、日本の歴史や文化に関心がある層の間で注目が高まっているが、維持・改修の資金確保が課題となっている。

DBJは観光振興を目的に、2014年に投資会社などと50億円規模のファンドを設立。
このファンドが古民家の再生を目指す企業に投融資する。

一方、一休はヤフーの子会社で、主力の高級なホテルや旅館の宿泊予約に加え、古民家の取り扱いにも力を入れている。
ファンドが支援した施設を自社サイトで紹介したり、周辺の観光情報を発信したりして集客を支援する。

ロボット・AIへの支援

ロボット事業への再参入を発表したソニーが、「ソニーイノベーションファンド」を新設。ファンド総額は100億円規模で、ロボットや人工知能分野の研究開発を手がけるベンチャーへの出資を行う。

併せて、ソニー株式会社、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)でのロボット・AI領域の求人募集も開始している。

ソニーCSLは、1988年に設立された研究所で新技術や新事業を創出し、人類・社会に貢献することを目的としている。
行動原理は「越境し、行動する」と「極限まで試行し追求する」。人類に社会に、本質的な貢献をすることを目指している。

100億円規模のファンド新設、ロボット・AI領域の人材募集を発表したソニーが、どういうロボットを発表するのか、今後の動向に注目です。

 

中小企業向けのAI融資~トランザクションレンディング~

税理士向けのクラウド型会計システムを提供するアカウンティング・サース・ジャパンは、横浜銀行など4社と共同で、中小企業向けの「トランザクションレンディング」の実現に向けたコンソーシアムを結成したと発表。
会計データを生かして融資審査を迅速化し、即日か翌日に融資できる新サービスの可能性を検討。データを用いた実証を行い、2016年9月頃までに結果をまとめるとしている。

「トランザクションレンディング」とは、銀行口座やクレジットカードの取引データ、商品の仕入れ・販売状況、決済情報などを統計的手法やAI(人工知能)で解析して与信審査を行い、融資するサービス。
新コンソーシアムは年商3億円程度の規模の中小企業に向けた審査モデルの構築を目指す。

中小企業は、個人保証か不動産担保がなければ融資を受けにくい。
一部金融機関は財務データを基に無保証・無担保で融資する「スコアリングモデル融資」を商品化している。
一方、財務データの信憑性や解析の精度に問題があり、融資を回収できずに不良債権化するケースも多かった。

アカウンティング・サース・ジャパンは、税理士の契約先である約12万社の会計ビッグデータを持っており、税理士の目を通した税務申告のための会計データなので信憑性も高くなるのではと期待が集まる。

但し、融資サービスにつなげるには審査モデルを確立する必要があり、同じ金額の収入・支出データでも、地域や業種、取引先や日付などによって意味合いが異なることから、横浜銀行などと共に解析手法の確立を目指す。

成長性で融資判断~新ファンド設立~

横浜銀行は担保依存ではなく、事業の成長力を判断して融資の可否を判断する「事業性評価」専用のファンドを立ち上げた。
原則として無担保・無保証で中小・ベンチャー企業に資金供給する。3年間で1,000億円規模の融資を見込む。

対象の融資額は1,000万円以上、最長3年間は元金の返済を猶予するなど、中小ベンチャー企業の資金需要に応える。
一時的な赤字経営や資本が過小なな企業でも成長性を見込む起業に無担保・無保証で融資する。

金融庁は事業性評価の強化を地銀に求めており、その流れの融資商品となっている。

新融資制度の商品名は「事業評価融資ファンドはばたき」。
融資開始に先駆けて、2016年4月から企業の事業性評価を開始。法人担当者がシートを使って評価を点数化し、一定の点数以上であれば融資を実行する。
2017年3月までに600社の事業性評価を目指し、融資金利は企業ごとに決めるが、融資期間を最長20年に設定するなど返済方法も緩和する。

まとめ

これまでも新たなファンド設立の動きなどの情報を発信してきましたが、最近では地方銀行の動きに大きな変化が現れている点について特に注目しておきたいと思います。

これまでは金利競争を主体に戦ってきた地方銀行ですが、このままでは、新たな産業育成や地域創生に金融機関としての役割が果たせない、などの観点から金融庁も改革を推し進めているようです。

金融機関の行動変化が日本経済の復活へと繋がることに期待です!

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