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4.事業継承

『赤字の中小企業に対する成長融資』

 

マイナス金利政策の導入で金融機関の利ザヤは縮小し、収益の先細りが避けられない状況となっています。

そこで、中小企業向けの融資を増やそうとする動きが出てきている一方、赤字や債務超過となっている企業の将来性を見て本当に融資ができるか、といった点でまだまだ課題も多い。

現状

中小企業向けの融資残高は、2015年末で183兆円と足元は回復基調にあるが。1990年代前半の約7割程度の水準となっている。

特に「要注意先」と区分された企業への落ち込みが大きく、その残高は3年前の43兆円から32兆円と11兆円も減少。

区分が「正常先」に上がったり、「破綻懸念先」に格下げや自主廃業も急増したことが要因として挙げられるが、根本的な問題として、要注意先となった企業の将来性を見れていないといった課題が大きい。

金融庁の対応

マイナス金利政策が導入される前から金融庁は「リレーションシップバンキングの機能強化」を掲げ、中小企業の実情に即した実態把握を行うよう指導してきた。

そこに、マイナス金利政策の導入でカネ余りに悩む銀行が増え、金融庁も現場の目利き力を発揮し、要注意先にも融資を検討するようにといった声が大きくなってきている。

短期継続融資(短期転がし融資)

そこで、金融庁は頻繁に企業へ訪問し、企業の実態把握が行える融資として「短期継続融資」別名「短期転がし融資(べた貸し)」での支援に期待を寄せているという。

短期継続融資とは、3ヵ月から1年などの短期に契約更新を行う融資で、これまでも運転資金見合い分の融資として使われる場面も多かった。

しかしある時期、金融庁の方針でべた貸しはダメという方針が下り、中小企業が調達する運転資金は保証協会保証付き融資などの長期融資が増えたといった経緯がある。

金融機関によっては、特別チームを作り、中小企業のサポート体制を強化した上で枠の範囲内であればいつでも出し入れ自由な「当座貸越」を設定し、中小企業を支援している事例も出てきているという。

まとめ

金融庁の方針で金融機関の方針もコロコロ変えなければならないという点には配慮も必要であるが、融資したお金を返済してもらうためには、企業に儲かってもらうことが原則だということを改めて強調しておきたいと思います。

企業の財務内容を把握し、様々なネットワークを持つ金融機関がもっと企業に寄り添い経営アドバイスや取引先の紹介も含め企業が儲かるためのサポートを行うことができれば、赤字先でも融資は十分可能になると思料します。

実際、企業再生の現場で赤字企業や債務超過企業への融資事例を多数経験してきたからこそ、改めて感じるところです。

銀行が持つネットワークを中小企業へもどんどん提供し、この銀行と付き合えば企業も成長できる、と思ってもらえるような金融機関が多数出てくることに期待したいところです。

bt_soudan    bt_shikin

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